Q14「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015」を紐解く
★ CQ14 成人鼠径部ヘルニアに対してKugel法は推奨できるか?
Answer
Kugel法は成人鼠径部ヘルニアに対して推奨できる術式である(推奨グレードB)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」43頁より
解説
成人鼠径部ヘルニアに対して、Kugel法はLichtenstein法に比較してその再発率に差はなく、推奨できる術式である。
また、成人鼠径部ヘルニアのすべての病型に有用である。
日帰り手術も可能であり、腹膜前腔の愛護的剥離操作が合併症を減らす。
Plug法やPHS法との比較はある。一方で、不慣れな手術による膀胱損傷、術後腸閉塞、遅発性動脈出血などの重篤な合併症の発生が報告されており、手技の習熟が重要とされる。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」43頁より
(ただし、太字への変更及び下線は筆者)
注記*
→時に膀胱損傷、術後腸閉塞、遅発性動脈出血といった重篤な合併症の発生があることを防ぐことは出来ないでしょうか?
→昔は”Big surgeon, Big incision”といって、外科の名医は大きな皮膚切開を置くことで臓器を損傷しない安全な手術を実施していたと想像します。
私も医師になって腹腔鏡手術に携わり始めた頃はまだ大開腹が主流で、『腹腔鏡手術?そんな危ないことをするな』などと言われましたが、現昭和大学消化器・一般外科 村上教授を頼り、信じて継続してきた腹腔鏡手術が今や手術の主流となっています。
腹腔鏡手術は拡大して腹腔内をしっかりと観察しながら実施できますので、膀胱や動脈を損傷する可能性は低くなります。
であればKugel法であればTEP法をオススメします。
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