Q24-2「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」を紐解く
★ CQ24-2 嵌頓・絞扼性ヘルニアの治療法は?
Answer
腹腔鏡下ヘルニア修復術や腹膜前到達法による手術を考慮してもよい(推奨グレードC1)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」68頁より
解説
嵌頓・絞扼性ヘルニア328例に対し、腹腔鏡したヘルニア手術(TEP、TAPP)が施行され34例(うち25例は軽微)の合併症を認めた。17例の腸切除が施行され、施行可能な術式と報告されている。
絞扼鼠径ヘルニア手術においては、腸管切除の際に他の皮膚切開追加の必要がなく術野の展開や視野が良好な腹膜前到達法が推奨されている。
腹膜炎や腸管壊死などの明らかな汚染手術を除く絞扼ヘルニアに対する緊急手術において、Lichtenstein法とBassini法の術後合併症には差がなく、メッシュ仕様に問題はないと結論された。自然還納した絞扼ヘルニアにおいて血清腹水を認めた場合は、ヘルニア嚢から の腹腔鏡による腹腔内精査が有用であるとする報告もある。
いずれにしても、術式間のRCTはなく、腸管切除などの必要性が生じる可能性も念頭に置くと、術野の展開が容易であ良好な視野が得られやすく、開腹手術への以降がスムースに行え、ヘルニア門を確実に修復できる術式を選択するのは理にかなっている。
ただし現時点では、汚染手術におけるメッシュ仕様の安全性に関して決定的な指針は示せない。
嵌頓・絞扼性ヘルニアの治療は個々の症例ごとにさまざまな判断が必要とされることを考慮すると、経験の浅い外科医は単独で対応するのではなく、ある程度経験を積んだ外科医が対応する病態である。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」68頁より
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