Q29「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015」を紐解く
★★ Q29 「日帰り手術」の定義は?
Answer
「日帰り手術」とは、患者が同一の日に入院、手術、退院をすることである(エビデンスレベルⅥ)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」79頁より
解説
日本において、「日帰り手術」には二通りの意味があった。広義には患者が入院してから24時間以内に退院する手術を示し、狭義には患者が同一の日に入院、手術、退院をすることであった。
2000年、厚生労働省は短期滞在手術基本料を制定し、保険診療上は、患者が同一の日に入院、手術、退院することを厳密に「日帰り手術」とした。
一方欧米では、日帰り手術に相当する単語として、day surgery、day-case surgery、1-day surgery、same day surgery、one-stop surgeryなどがあり、入院せずに外来で行う手術としてamubulatory surgery、outpatient surgeryなどがある。欧米での日帰り手術とは、入院しない手術や外来手術を意味していると考えられる。
また、1泊2日の入院手術として、overnight surgeryがある。
いずれにしても、欧米での鼠径ヘルニア手術は、日帰り手術、もしくは1泊2日の短期間の入院手術が一般的である。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」79頁より
(ただし、太字への変更及び下線は筆者)
注記*
「日帰り手術」は入院費がカットされるなど費用面ではメリット多いですが、国民皆保険の日本では医療費へのコスト意識が低く、一方で空きベッドを好まない病院側の経営事情なども相まって短期滞在手術として実施されているのが現状です。
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