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Q29-1「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015」を紐解く

★★★ Q29-1 日帰り手術が適応となる術式は?

Answer
組織縫合法、Lichtenstein法、Plug法、TAPP法、そしてTEP法が日帰り手術の適応となる(推奨グレードB)。
また、Kugel法やDirect Kugel法も日帰り手術の適応となる(推奨グレードC1)。
Lichtenstein法は、両側同時手術であっても日帰り手術が適応となる(推奨グレードC1)。

※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」80頁より

解説

成人鼠径ヘルニア手術について、日帰り手術の優劣を論じるランダム化比較試験として、3つの論文がある。1つ目は、TEP法150例とPlug法142例を比較した論文で、TEP法で全例(100%)、Plug法で140例(99%)の症例で日帰り手術が可能であったという論文。

2つ目は、TAPP法200例とLichtenstein法200例を比較した論文で、TAPP177例(89%)、Lichtenstein法191例(96%)の症例で日帰り手術が可能であり、Lichtenstein法の方がTAPP法よりも有意に日帰り手術成功率が高かったとする論文。

3つ目は、組織縫合法44例とTAPP法42例を比較した論文で、平均術後在院時間(分)は組織縫合法が134.5分、TAPP法225分であり、組織縫合法の方がTAPP法よりも有意に術後在院時間が短かった。

また、術後の再入院は縫合法4例、TAPP法6例であったとする論文。

この3つのランダム化比較試験は、いずれも1990年代に発表された論文であるが、欧米では1990年代から日帰り手術に積極的に取り組んでおり、組織縫合法、Lichtenstein法、Plug法、TAPP法、そしてTEP法が日帰り手術の適応となっている。

※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」80頁より
(ただし、太字への変更及び下線は筆者)

注記*

1990年代から約20年以上の時が過ぎ、腹腔鏡の性能が向上することでより精緻な手術が可能となりました。

また麻酔法の進歩に伴い麻酔終了後の早期覚醒などが得られることが、特に全身麻酔で実施されるTAPP法・TEP法の「日帰り手術」普及に貢献していると思われます。

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