そけいヘルニア(脱腸)とは?

「そけい(鼠径)」とは、太もももしくは、足のつけねの部分のことをいい、「ヘルニア」とは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。
「そけいヘルニア(鼠径ヘルニア)」とは、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる下腹部の病気です。
一般の方には「脱腸」と呼ばれている病気です。
そけいヘルニア(脱腸)の種類
ふともものところに出る大腿(だいたい)ヘルニア、おへそがとび出す臍(さい)ヘルニア、手術などのきずあとが膨らむ瘢痕ヘルニアなどがあります。
そけいヘルニア(脱腸)の症状
初期のころは、立った時やお腹に力を入れた時に鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部などが出てきて柔らかい腫れができますが、普通は指で押さえると引っ込みます。
太ももや足のつけね(そけい部)に何か出てくる感じがあり、それがお腹の中から腸が脱出してくるので「脱腸」と呼ばれています。
次第に小腸などの臓器が出てくるので不快感や痛みを伴ってきます。
腫れが急に硬くなったり、膨れた部分が押さえても引っ込まなくなることがあり、お腹が痛くなったり吐いたりします。
これをヘルニアのカントン(嵌頓)といい、急いで手術をしなければ、命にかかわることになります。
そけいヘルニア(脱腸)の原因
主な原因は生まれつき持っている場合である先天的と生きていくうちに起きてくる後天的の2つに分類されます。
後天的な要因では、肥満による内脂肪の増加、筋肉の衰え、過度の運動や排尿障害、便秘、妊娠・分娩など、おなかに力がかかることが多いものが挙げられます。
そけいヘルニア(脱腸)になりやすい人
以下のような要素を持たれる方は、そけいヘルニア(脱腸)になりやすいとされています。
- 加齢:特に40歳以上の男性
- 日常生活:咳をよくする、妊娠されている、過激な運動をされる
- 職業:立ち仕事に従事されている、お腹に力がかかる仕事
- 病気:便秘症、肥満、喘息、慢性肺疾患
そけいヘルニア(脱腸)の治療について
手術をしなければ治りません
そけいヘルニア(脱腸)はお薬で治すことはできず、手術以外、治療方法がありません。
痛みも少なく短期入院で済む新しい手術方法が普及してきており、生活の質を考慮すれば、積極的に治療した方が良い病気です。
脱腸帯などのバンドによって固定することがありますが、これは治療にはならず、場合によっては危険なこともあります。
また、普段出たり入ったりしているヘルニアが急に戻らなくなり(かんとん)、飛び出した内臓が腐ってしまう危険性も伴います。
特別な事情がない限り、そけいヘルニア(脱腸)は、見つけ次第手術を行うことがベストです。
まずはご相談下さい
そけい部に膨らみができた、違和感があるなどの際には、まず医療機関を受診しましょう。
当クリニックはそけいヘルニア(脱腸)の日帰り手術専門クリニックです。専門医が診断を行ったうえで、患者様の都合に合わせて日帰り手術のご案内もさせていただきます。
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